なかなか旅が始まらない。
ジツは、
オレも早く舞台をベルリンら移したいのだが、
ベルリンまでの道のりは実に長く、
ベルリン到着は5月5日の予定なのである。
送別会のフィナーレは、
オレが鳥羽行きのフェリーに乗り、
最後まで見送ってくれたみんなにテープを投げて終わる。
その後、彼らは吉田城裏に戻り、
ローソンで買ったオニギリを食べながら反省会を開いたという。
そしてバッティングセンターへ行き
「今度はいろりかぁ」
と叫び合い、別れたらしい。
なんとタフな集団だろうか。
オレも負けてはいられない。
フェリーを降りて少し歩き仮眠をとると、
伊勢へ向かった。
この日は伊勢で泊まり、
翌日から国道368号線・165号線を
西に向かったわけだが、とにかく何もない。
3OO番代の国道など歩くものではない。
北海道を歩いたころでも、
これほどの田舎道は通らなかった。
なにしろ、店がない。
ドライブインどころかパンを売っているような
駄菓子屋すらないのだ。
この状況を、当時の日記で表現してみよう。
≪≪4月16日、10:20。
♪風になって君に触れたい~シービーシッ♪だと、
がんばれば奈良だなぁってとこでもCBCだよ。
(中部日本放送が聴ける、の意)
メシ喰えねえ。
廃村になった峠村を過ぎて不動橋を渡って
美杉町に入ってもう2キロぐらいは歩いたかな。
まだ食堂がなく駄菓子屋すら見つからず、
おいしい水を川でたらふく飲んで、
やけくそで歯まで磨いちゃって爪まで切っちゃった。
もう昼になっちゃうぜ。
ここは川が曲がってて中州がある。
≪中略≫
野草の知識があれば、オレは喰ってるね、きっと。
「浜美枝のいい人見ィ~つけた、
今日はロザンヌさんでした」≫≫
この日は寒さでロクに眠れず
夜中じゅう歩いていたといっていい。
翌朝、ようかん屋でチョコレート
(本当は菓子パンくらい売っていると思って入ったんだが)
を買い、朝食兼昼食にしている。
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